バガヴァッド・ギーター2章35節

初めの祈り

om namo bhagavate vasudevaya

(ヴァスデーヴァの息子、ヴァーステヴァ、バガーヴァーンに心から敬意を表する)

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【2-35】

bhayad ranad uparatam mamsyante tvam maha-rathah

yasam ca tvam bahu-mato bhutva yasyasi laghavam

(いままで君の名を讃えていた武将たちは、君が戦いを怖れて戦場から逃亡したものと思い、卑怯者よ、臆病者よと軽蔑するだろう)

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私達生命体は、【他人も自分の思うようにしたい】と思う性質がある。それを言葉を変えると、【自己が楽しみたい】と思っている。その思いは、【他人も自己のもの】と誤って認識してしまう。だから、相手が自己の思うように行動してくれないと、不機嫌になったり、怒りに変わる。

クリシュナはギーターの中で何度も【生命体は主人ではないよ】【すべての結果は僕が与えているよ】と伝えてくれている。【何かひとつでも、自分のものだ！という思いは幻想である】と。

それをエゴといい、このエゴを愛に変えていく場が地球であり、この肉体を与えられた理由である。

クリシュナはアルジュナに、【君のその思いは相手とは全く違うよ】と教えている。アルジュナは【親戚縁者を殺すくらいなら、戦わないで自分が殺された方が良い】と思っていた。

だが、もし、そうなったら、敵方は【ただ臆病者】と思うだけだ、と。それはアルジュナが望む結果は来ない、ということだ。

私達生命体はみなそれぞれの縛られているグナの程度、そしてカルマに応じて思うこと、感じること、考えることなど、、全て違う。きっと相手も同じように思っているかというと、それは違う。

だから、他人を自己のもの、と考えてしまうといつか問題になる。

それが共通の意識になった時、浄化されていく。本当に大切にすべきもの、の認識が同じになった時、それぞれの違いが消え始める。

その【本当に大切にすべきもの】を知った時、生命体の誤った支配欲がなくなっていく。本当に大切なものを大切にしていたら、悲しむことも嘆くことも、怒ることもなくなる。私達が何故そうなるかというと、【自己の支配欲】を大切にしているからである。

ここで、アルジュナもまた、自分の思い通りの結果を望み、それが満たされないから嘆きに変わっている。

すべての計画はクリシュナの手の中にある。生命体はその手の中で愉しまれている。それがハートに明かされた時、あらゆる現象が慈悲の現れであることに涙する。

クリシュナはここでアルジュナに、【戦いなさい】と再度伝えている。その真意という愛が垣間見える。何故なら、クリシュナが望むところに罪はやってこない。慈悲という愛、喜びが必ずやってくるからだ。

物質的な思考は支配欲という罪を、精神性というクリシュナを想うことは喜びを生命体に流す。

次節【 2章36節へ続く】

前節 bhagavad gita バガヴァッド・ギーター2章34節

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